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​適応障害

白衣を着たワニ

1. 概要

​   適応障害とは、明らかなストレスにより引き起こされる抑うつ状態のことです。原因となるストレスには様々なものが考えられます。例えば「上司からパワハラを受けた」、「仕事量が多すぎてこなせない」「環境が変わった」などです。様々なストレスにより、精神的もしくは身体的な症状が引き起こされます。

2. 症状

   適応障害の症状としては「気分が落ち込む」「やる気が出ない」「集中できない」「眠れない」「疲れやすい」「吐き気がする」「頭痛がする」「めまいがする」など、ありとあらゆる不調が考えられます。心と身体は密接に関係しています。精神的な不調が、身体の症状として現れることもあります。適応障害に共通するポイントは、症状がストレスにより引き起こされている、という点です。つまりそのストレスが取り除かれれば、症状も速やかに改善します。

3. 診断・検査

  適応障害の診断にはストレスが取り除かれた後の経過を確認する必要があります。ストレスから離れ、速やかに症状が改善するのであれば適応障害の診断で良いでしょう。しかし十分に休息をしても症状が持続する場合は、うつ病などの気分障害を疑います。適応障害を診断するための生物学的検査は確立されておらず、以上のような問診や経過で診断します。うつ病と見分けるため、心理検査を行うことがあります。また甲状腺の異常で気分の落ち込みが出現することもあるので、採血検査で異常がないことを確認することも大切です。

4. 治療

  適応障害の治療は、十分な休養が最優先です。お仕事をされている方であれば休職の診断書を発行し、安心して療養できるようにします。薬物療法は必ずしも必要ありませんが、その時の症状やご希望に合わせて相談します。十分な休養が取れたところで、つらかったことは何か、どんな経緯だったか、不調の予兆はあったか、などについて話し合います。振り返った内容をもとに、休職した方であれば、同じ部署に戻るのか、部署変更はどうか、転職するのか、など今後の対策を検討します。
  つらい状況となった際の相談先を確保することも大切です。家族や友人、同僚などの身近な人と悩みや心配事を共有し、適応障害を繰り返さないような環境づくりを行うことも再発予防に欠かせません。

5. まとめ

  適応障害は適切な休養や環境調整により治療が可能な疾患です。ほとんどの場合で症状は残りません。治療のポイントは、再発予防策をきちんと講じることです。「原因の検討」と「対策の実施」をセットにして行うことが大切です。適応障害がうつ病に進展することもあります。うつ病を予防するという観点から、つらい症状を放置せず、早めに医療機関に相談しましょう。

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