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休職・復職について

白衣を着たワニ

「休職すべきかどうか悩んでいる」という方に向けた解説ページです。
​目次

1. 休職をするべきタイミング

仕事のことを考えただけで気分が落ち込む
仕事のことが頭から離れず眠れない
仕事がつらく食欲がない
考えがまとまらず判断ができない
このような状況であれば、すぐにでも休職すべきでしょう。なぜなら、これらの症状がうつ病の初期症状かもしれないからです。うつ病では気分の落ち込み、不眠、食欲低下、集中困難などの症状が出現します。また見逃しがちなサインとして
理由もないのに急に涙が出る
とても疲れやすい
​このような場合も、精神的な不調が身体の症状として出ていると考えられます。原因となっている状況を無意識に否定してしまい、涙が出る理由をご本人も説明できないことがあります。また辛い状況では判断力が低下し、今の状況をうまく説明できない、ということもよくあります。心のSOSが出ている状態で無理をしてしまうと、うつ病など深刻な病気につながることもあります。心療内科や精神科、メンタルクリニックで相談し、しっかりと休職することで安心して休める環境を整えましょう。

2.休職の悩み

休職したいと思っても、色々な心配事が出てきます。一つずつ解説していきます。

「休んでしまうと生活が苦しい」
 休職中には傷病手当金の申請ができます。傷病手当は、ご加入中の健康保険で利用できる制度です。病気やケガなどの理由で就労できない状態になった時は医師の証明により、給与の2/3程度を受け取ることができます。また、傷病手当金は最長で1年6ヶ月受給できます。さらに、もし療養が1年6ヶ月以上長引いた時は、障害年金が申請できます。障害年金は障害の等級に応じ、年金が支給される制度です。

「休んでしまうと周りに迷惑がかかる」
 あなたの周りで、インフルエンザやコロナウイルス感染で、長期のお休みを取った方はいませんでしたか?その時、あなたはその方になんと声をかけましたか?おそらくは「ゆっくり休んでね」という思いやりの言葉だったと思います。あなたが精神的な不調でお休みになったとしても、周りの人はきっと同じように声掛けをしてくれるはずです。

「自分にしかできない仕事があるから休めない」
 あなたの会社で、事故やケガ、身内の不幸などで急な休みを取った方は大勢いたはずです。しかしそれで会社がダメになってしまった、ということはおそらく無いはずです。誰かが欠けても他の人がフォローできることが、会社という組織の最大のメリットです。つまり一人一人の不測の事態に対応できるように、会社という体制を作っているわけですね。ですから、「自分にしかできない仕事」というのは、会社において本来は存在してはいけないとも言えます。もしそれが本当に「あなたにしかできない仕事」なら、その会社で働き続けることは常にリスクを伴います。そんな会社に勤め続けるのかどうか、一度立ち止まって真剣に考えてみる必要があるでしょう。

「休職させてもらえないかもしれない」
 診察で休職が必要と判断された場合、診断書が発行されます。この診断書を職場に提出すると、正式に休職に入ることとなります。診断書が提出されたのに休職をさせなかったり、診断書を受け付けないという場合は、安全配慮義務違反となりますので、会社としては診断書の内容には従わざるを得ません。ですから、診断書があるのに休職させてもらえない、ということは心配しなくて良いでしょう。

3. 休職の流れ

初めての休職では、どんな手続きがあるのかみてみましょう。
Step.1 心療内科で診察を受ける
Step.2 休職の診断書を受け取る
Step.3 診断書を職場に提出する

以上の流れを経て、正式に休職に入ることができます。職場に診断書を提出するのが怖い、不安だという声もよく耳にします。もし対面で提出することが難しい場合は、診断書を郵送したり写真をメールで送ればOK、ということもあるかもしれません。会社の担当者に相談してみましょう。

4.  休職中の過ごし方

 休職中の過ごし方のポイントを解説します。
職場との連絡は最低限にしましょう
 休職は、ストレスから離れて安心して休むための期間です。ストレスの原因から離れ休息を十分取ることで体調が回復し、だんだんと思考力や判断力が回復していきます。冷静な判断のためには十分な休息と考える力が必要です。職場との連絡は、休職のためのやり取り、診察の結果報告など、必要最低限にしましょう。連絡方法も、メールやオンライン形式など、あなたにとって一番負担の少ない方法を選びましょう。

定期的な診察を受けましょう
 休職には正当な理由が必要です。多くの場合「療養のために休みが必要」という理由です。従業員の健康を管理する責務を負う会社としては、あとどのくらい休みが必要か、病状はどうなのか、を把握する必要があります。定期的に診察を受け、その結果として交付される診断書を介して、状況を報告するようにしましょう。
 当然ですが、私たち医療機関が勤務先の会社に直接情報をお伝えすることは絶対にありません。もし会社から当院に電話で問い合わせがあっても、お答えするにはご本人の許可が必要になりますので、全てお断りします。ですから病院で話したことが会社に知られる、ということはありませんのでご安心ください。

気分転換を意識しましょう
​ 休職中だからといって、自宅でこもっている必要はありません。必要なことは、ストレスから解放され、健康な状態を取り戻すことです。そのためには仕事のことを忘れる時間がとても大切です。映画館に行ったり、久しぶりの友人に会ったり、旅行に行くことも良いでしょう。繰り返しになりますが、休職中に避けるべきことは「仕事のことを考えること」これだけです。

 

5. 復職の流れ

・​振り返りと対策

 十分に休息が取れ、冷静に判断できる状態になったところで、今回の経緯の振り返りをしましょう。つらい状況の原因は何か、予兆はなかったか、誰かに相談できていたか、などなど、経緯を振り返ることで詳しい原因を探ります。原因が明確になったら、次は対策を考えます。部署移動はどうか、相談先を確保してもらえないか、業務を制限してみるのはどうか、などなど、あなたの状況や希望に合わせて具体的な対策を考えます。

職場との話し合い

 原因と対策が明確にしたうえで、いよいよ職場との話し合いです。部署移動はすぐにできないこともあるでしょう。しかし数ヶ月先なら可能、ということもあります。あきらめず、ご自身の希望や提案を伝えることが大切です。伝え方にはコツがいります。診察の中で具体的な内容を相談していきましょう。

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