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認知症

白衣を着たワニ

1. 概要

​   認知症とは、記憶力や物事をこなす能力が徐々に低下する病気です。これを認知機能低下と呼びます。認知症の中にはアルツハイマー病型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などが含まれます。

2. 症状

  認知症の症状といえば、物忘れが有名です。これは脳の海馬という部分が衰え、新しい記憶を作り出すことが難しくなることで起きます。​​しかし衰えるのは記憶だけではありません。生活に必要な理解力や判断力なども低下していきます。
  例えば「お茶を飲む」という日常動作にも、実は複雑なステップが隠れています。湯呑みとの距離は?どちらの手で掴む?力はどれくらい入れる?熱いかも?インターホンが鳴ってるけど飲むのやめる?飲み口の形は?などなど。これらのステップを脳が適切に判断することでお茶が飲めているんですね。​​​
  ​認知症の方の場合、記憶力はもとより、空間を把握する力、状況を理解する力、判断する力などが全体的に低下します。このような変化は認知機能低下と呼ばれ、生活の様々な場面で支障をきたします。もちろん健康な高齢者でも多少の認知機能低下は見られますが、認知症の方の場合はその程度や進行するスピードがより深刻です。

3. 診断・検査

  過去と現在の生活状況を詳しく確認します。以前できていたこと、今できないことを参考に、認知機能の変化を調べます。また心理検査として、長谷川式簡易知能評価スケールやMMSEを行います。これらの検査で記憶力や、課題をこなす力を評価します。特に認知症の多数を占めるアルツハイマー病型認知症では近時記憶の障害が早い段階から出現すると言われており、早期発見に心理検査が有用です。心理検査は半年から1年に1回程度行い、検査の点数がどのように変化するかを記録していきます。

4. 治療

   現在困っていることを中心に、対策を相談します。介護保険を申請して介護サービスを利用することや、一時的にお薬に頼ることも必要です。ご本人が安心して過ごせる環境を用意できれば、穏やかに過ごすことができるでしょう。

5. まとめ

   認知症は対応が難しい病気でもあります。また症状がゆっくり進行するため、相談するタイミングを逃し、ご家族だけで問題を抱え込みがちです。地域包括支援センターや保健所などとも連携し、地域で見守り、支えるような体制作りが重要です。そのために診断書や医師の意見書が必要となりますので、認知症に対応可能な医療機関に早めに相談することが大切です。

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