1. どんな薬?
マイスリー(一般名:ゾルピデム)は非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。即効性があり、内服後にすぐ寝付くことができるでしょう。一方で依存性や耐性、健忘などの副作用もあり、使用には注意が必要です。マイスリーにはジェネリック医薬品(後発品)があります。
2. マイスリーの副作用は?
睡眠薬に共通する眠気の持越し、めまい、ふらつきなどの副作用があります。また健忘という副作用が出現することがあります。健忘は薬を飲んだ後の出来事や行動について記憶が無くなる現象です。知らぬ間に物の配置が変わっている、知人に身に覚えのないメッセージを送っていたなど、健忘を疑う状況があれば主治医に相談してください。
マイスリーと同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されるお薬としてルネスタとアモバンがあります。マイスリーはこの2つと違い、内服による苦味の副作用がないことが特徴的です。
3. マイスリーに依存性はある?
マイスリーには依存性があります。毎日使用すると、薬の効き目が落ちる「耐性」という現象が起きます。すると眠るために必要なお薬の量が増えてしまい、依存が形成されていきます。
4. 急に飲むのをやめるとどうなる?
内服を急に中止すると、離脱症状が起きることがあります。離脱症状では不眠、苛立ち、動悸、発汗、手足の震えなどの症状が出現します。内服を自己判断で辞めることはせず、必ず主治医に相談しましょう。
5. マイスリーはやめられなくなる?
ゆっくりと減らすことでやめられます。1/2量に減量し、4週間待ってからさらに1/2量に減らす、という段階的な減量を行います。減らすタイミングや、どの程度減量するかは医師の判断によります。減量はご自身でやらず、万が一問題が起きた時の責任を持ってもらうという意味でも、必ず主治医に相談しながら行いましょう。
6. マイスリーで認知症になる?
睡眠薬と認知症の関係ははっきりしていません。関係を示唆する研究もあれば、無関係であるとする研究もあり、結論が得られていないのが現状です。マイスリーの処方を受ける時は内服のメリット、デメリットを医師から聞いたうえで、内服するかどうかを考えましょう。
監修: 島野 桂周(精神科医師、精神保健指定医)
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