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心療内科・精神科を受診するタイミング

執筆者の写真: Keishu ShimanoKeishu Shimano
横浜北星こころとからだのクリニックの診察室

「よこはま北星こころとからだのクリニック」で心療内科・精神科を担当している、院長の島野です。今回は心療内科・精神科を受診すべきタイミングや基準ついて解説します。

 

心の病は目に見えないからこそ、受診すべきタイミングが分かりにくいですよね。この記事では心療内科や精神科を受診すべき症状やタイミングについて解説します。なお、心療内科も精神科も心の病の専門科ですから、どちらを受診して頂いても構いません


受診の目安は大きく分けて4つあります。


  • 周囲の人に勧められた時

  • 通院中の病院で勧められた時

  • 生活に支障が出た時

  • 苦痛が強い時


ひとつずつ見ていきましょう。


 

1. 周囲の人に勧められた時


 家族や職場の人に心療内科を勧められることもあると思います。もちろん「病院に行け」と言われて嬉しい人はいないでしょうし、むしろ「なんでそんなことを言うんだ!」と反発したくなるかもしれません。しかし周りの人から勧められるということは、自分では「どうにかやれている」「まだ大丈夫だ」と思っていても、周りから見ると心配な状態ということです。ここに主観的評価と客観的評価のズレがあります。


 また多くの場合、受診を勧めてくれる人はあなたの味方です。他人に心療内科の受診を勧めるというのは、なかなか勇気のいることです。それでも受診を勧めるというのは、本当にあなたを心配していることの表れではないでしょうか。

 もちろん受診した結果、「病気ではないですよ」といわれるかもしれません。しかしそれは自分だけでなく、周囲の人の安心にもつながりますので、無駄ではありません。また「病気でもないのにどうして来たんだ」と怒られるようなこともありません。少なくとも心療内科や精神科を掲げている医療機関で、患者さんを叱り飛ばすということはおそらくないでしょう。安心して受診してみてください。


 

2. 通院中の病院で勧められた時


 通院中の病院で心療内科を勧められることもあるでしょう。多くの場合、めまい、喉の違和感、微熱、倦怠感などの身体症状で内科をはじめとした身体科を受診し、検査をしても異常が見つからず、主治医から「身体は問題ないということは、心の問題かもしれませんから」と心療内科を勧められるパターンです。この場合は主治医の指示に従って心療内科を受診して頂ければ良いと思います。たとえ身体科で原因が分からなくても、身体の異常がないことを確認することは大切なことです。はじめから心の病気と決めつけて治療をして、後々、身体の病気が見つかるよりずっと良いです。ですから通院中の病院で勧められた際には、迷うことなく心療内科を受診してみてください。


 

3. 生活に支障が出た時


  • 出社しようとしたが涙が止まらず欠勤した

  • 不安が強くて電車に乗れない

  • 眠りが浅くて仕事のパフォーマンスが落ちている

  • 確認行為がやめられず遅刻してしまった


 このような症状を抱えたまま過ごしていくことは大きな苦痛を伴います。また時間が経つにつれ症状が深刻になり、人間関係や経済状況にも影響が出てしまうかもしれません。生活に深刻な影響が及ぶ前に、受診してみることが大切です。



 


4. 悩みがある時


・漠然とした不安がある

・人間関係がうまくいかなくてつらい

・相談相手がいなくて困っている


 「こんな個人的なこと、病院で話すのは気が引ける」と遠慮してしまうかもしれません。けれども、心療内科や精神科ではどんな話をして頂いても構いません。その内容がどんなものであれ、医療者と「場」を共有した、ということに意味があります。たとえその中で解決策が得られないとしても、「聞いてもらえた」、という安心感を得ることが大切です。またこのような悩みの背景に心の病が隠れているということも考えられますから、受診して相談してみましょう。


 

監修:島野 桂周(精神科医・精神保健指定医)

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