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執筆者の写真Keishu Shimano

デエビゴ【お薬Q&A】


デエビゴについて解説する精神科医のワニ

 

1. どんな薬?

デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は不眠の症状に対して処方されることがあります。デエビゴはオレキシン受容体拮抗薬という分類の、新しいタイプの睡眠薬です。最大の特徴は一般的な睡眠薬と異なり、依存性の心配がないという点です。デエビゴに似たタイプの睡眠薬としてベルソムラ(一般名:スボレキサント)があります。


 

2. デエビゴの用量は?ジェネリックはある?

・2.5mg錠、5mg錠、10mg錠があります。割線は入っていません。

・1日の最大量は10mgです。通常は就寝前に内服します。

デエビゴのジェネリック医薬品はありません。デエビゴの発売は2020年7月6日で、比較的新しいお薬です。


 

3. デエビゴの特徴は?

私たちは普段、オレキシンというホルモンのおかげで覚醒状態を維持しています。デエビゴはこのオレキシンの働きを抑えることで眠気をもたらし、睡眠を助けます。不眠には、寝付くのに時間がかかる「入眠困難」と、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、睡眠の質が下がる「熟眠障害」がありますが、デエビゴはこの全てに改善が期待できるお薬です。デエビゴに似たメカニズムのお薬としてベルソムラ(一般名:スボレキサント)があります。

デエビゴは半減期がおよそ50時間程度のお薬です。つまり代謝されるのに比較的時間がかかります。そのため、毎日決められた時間に内服することでだんだんと効き目が安定してくることが期待できます。

​また、一般的な睡眠薬にみられる依存性や耐性(効き目が落ちること)、離脱症状の心配がほとんどないことも大きな特徴です。そのため高齢の方や睡眠薬に不安がある方にも安心してお使いいただけます。


 

4. デエビゴの副作用は?

・​デエビゴの副作用としてよくみられるものは眠気の持ち越し(10.7%)です。初めて内服する時は、お休みの前の日に飲んで、どのくらい眠くなるかを確認すると良いでしょう。​

・その他の副作用に頭痛(4.2%)、めまい、悪夢、吐き気などがあります。


 

5. デエビゴは依存症になる?

・デエビゴには常習性や依存性はありません。​​これはベンゾジアゼピン系睡眠薬とは違う作用の仕方をするためです。そのため高齢の方にも比較的使いやすいお薬です。

​・お薬の量を変更する際は自己判断せず、必ず主治医に相談しましょう。


 

6. 他のお薬との飲み合わせは?

水虫のお薬(フルコナゾール)、抗菌薬(エリスロマイシン)、血圧の薬(ベラパミル)との併用でデエビゴの作用が強まることがあります。処方を受け取る際に薬剤師さんに確認してもらうと安心でしょう。


 

監修: 島野 桂周(精神科医師、精神保健指定医)

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