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執筆者の写真Keishu Shimano

ベルソムラ【お薬Q&A】


ベルソムラについて解説する精神科医のワニ

1. どんな薬?


ベルソムラは比較的新しい睡眠薬です。オレキシン受容体という部位に働き、自然な睡眠を促します。副作用が少なく、高齢の方や睡眠薬に抵抗のある方でも安心してお使いいただけます



 


2. どのくらいで眠くなる?


個人差が大きいため一概には言えませんが、内服して1時間程度で効き目が出てくることが多いでしょう。また、ベルソムラは寝つきを良くする効果よりも、目を覚めにくくする効果が大きいため、効果を感じられるのは翌朝目が覚めてからになるかもしれません。



 


3. ベルソムラの注意点は?


ベルソムラの注意点は下記のとおりです。

・お酒との相性が悪いため飲酒はしないでください。

・眠気の副作用があるため、内服した後は運転は絶対にしないでください。

・肝障害がある方は肝機能障害が悪化する恐れがあります。内服を始める前に主治医に相談してください。

・食事と一緒に内服すると薬の吸収が良くなり、ベルソムラの効果が強く出ることがありますので、食後1時間は内服を避けてください



 


4. ベルソムラで依存症になりますか?


ベルソムラには依存性、常習性はありません。一般に睡眠薬というと依存性が心配になると思いますが、ベルソムラはそのような睡眠薬とは違った働き方をするお薬なので、飲み始めたらやめられなくなる、ということはありません。



 


5.ベルソムラは効き目が強いですか?


ベルソムラは睡眠薬ですが、効果としては弱いでしょう。ただし、他のお薬と違い、オレキシン受容体という部分を使って眠気を作り出すお薬ですので、単純な比較は難しいでしょう。ベルソムラに似た仕組みのお薬として、デエビゴ(一般名:レンボレキサント)があります。その2種類の中では、ベルソムラの方が効き目が弱いと言われています。



 

6. ベルソムラと飲み合わせの悪い薬は?


水虫のお薬(イトラコナゾール)、抗菌薬(クラリスロマイシン)との相性が悪いため、ベルソムラとの内服は避けましょう。お薬を受け取る際に、薬剤師さんに確認してもらうと安心です。



 

7. ベルソムラの注意点はありますか?


ベルソムラの特徴的な副作用として悪夢(1〜5%未満)があります。患者さまから実際に「この薬を飲んでから不思議な夢を見る」というコメントをいただいたことはよくあります。添付文書では「悪夢」となっていますが、必ずしも悪い夢ではないこともあるようです。もし悪夢が続くようであれば、他の睡眠薬に変更します。


 

監修:島野 桂周(精神科医、精神保健指定医)


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