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執筆者の写真Keishu Shimano

ロゼレム【お薬Q&A】


ロゼレムについて解説する精神科医のワニ

 

1. どんな薬?

ロゼレム(一般名:ラメルテオン)は比較的新しいタイプの睡眠薬です。不眠症に処方されることがあります。日本では2010年に発売されました。ジェネリック医薬品があります。依存性や離脱症状の心配がなく、長く使用しても効き目が落ちることはありません。効果はマイルドですが、その反面、安全性の高い睡眠薬といえます。高齢の方や睡眠薬に不安のある方でもお使いいただけます。


 

2. ロゼレムの副作用は?

 めまい、頭痛、眠気等の副作用が出ることがあります。


 

3. ロゼレムの特徴は?

  • 依存性や耐性がなく安全性が高い

  • メラトニンを介した自然な眠気

  • 効き目がマイルド

  • 時差ぼけに有効

  • 睡眠相後退症候群に有効

以上が挙げられます。特にメラトニン受容体を介して眠気を作り出す点が特徴的です。メラトニンは私たちの体の中にもともとある物質で、体内のリズムを整え、環境変化に対応しています。海外旅行で時差ぼけが生まれても、しばらくすると現地の生活リズムに慣れ、時差ぼけが解消されます。このような体内時計の調整はメラトニンのおかげです。ロゼレムはメラトニンと似たような働きをすることで眠りを助けます。ロゼレムと同じメカニズムのお薬は今のところのないため、他の睡眠薬が合わなかった、という方は試してみる価値があるでしょう。



 

4. ロゼレムは依存性がある?

 ロゼレムには依存性、常習性はありません。また、長く飲むことで効き目が落ちる耐性も、ロゼレムでは起きにくいとされています。毎日飲んでも安心なお薬といえます。


 

5. 他の薬との飲み合わせは?

 抗うつ薬のルボックス(フルボキサミンマレイン酸塩)との併用は禁忌です。もし併用してしまうと、ロゼレムの代謝が遅れ、血中濃度が高まり、副作用が強く出る可能性があります。


 

6. ロゼレムは太る?

 ロゼレムを内服し続けても体重は増加しません。ロゼレムによる体重増加の副作用は報告されておらず、薬剤添付文書にも記載がありません。太る心配のない睡眠薬といえます。


 

7. ロゼレムは強い睡眠薬?

 ロゼレムは催眠効果としてはマイルドで、睡眠薬の中では弱いと言えるでしょう。

一般的な睡眠薬には

・ベンゾジアゼピン系睡眠薬

・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

・オレキシン受容体拮抗薬

・メラトニン受容体作動薬

以上の4種類があります。ロゼレムはメラトニン受容体作動薬で、概日リズムを調整することで眠気をもたらします。ベンゾジアゼピン系睡眠薬・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のように、脳の機能を抑えることで眠気を出すわけでは無いので、安全性が高い反面、効き目はマイルドです。


 

監修: 島野 桂周(精神科医師、精神保健指定医)

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