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執筆者の写真Keishu Shimano

アモバン【お薬Q&A】


アモバンについて解説する精神科医のワニ

アモバン(一般名:ゾピクロン)のよくある質問に精神科医が答えます。



 

1. どんな薬?


 アモバン(一般名:ゾピクロン)は、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、即効性があり、寝つきをよくする効果が高いことが特徴です。不眠症の方に処方されることがあります。処方日数の制限があり、30日が上限と決められています。後発医薬品のゾピクロンがあります。


 

2. どんな剤型・用量?


 アモバンは7.5 mg錠と10 mg錠があります。どちらも割線が入っていて、半分に割ることができます。1日の最大量は10mgです。高齢の方や肝機能障害のある方は7.5mg錠を半分にして3.75mgとして内服するよう推奨されています。肝機能障害は脂質異常症肥満症に合併することがあり、注意が必要です。


 

3. アモバンは苦い?


 アモバンの内服後、口腔内の苦味が出現することがあります。薬剤添付文書によれば頻度は8.06%で、およそ12人に1人の割合で苦味の副作用が出ます。唾液に含まれる成分が苦味の原因と考えられていますが、原因はよく分かっていません。


 

4. アモバンの副作用は何がある?


 アモバンといえば苦味の副作用が有名ですが、他に肝機能障害、健忘、ふらつき、眠気、頭痛などの副作用が報告されています。またアルコールとの同時摂取により作用が強まったり、重い副作用が出る可能性がありますので、飲酒との併用は厳禁です。

 また、これは睡眠薬全般に言えることですが、睡眠薬を飲んだ状態で車の運転や重機の操作などを行うことは禁止されています。自転車に乗ることも転倒や交通事故のリスクが高まるおそれがありますので、睡眠薬を飲んだらお酒を飲んだ状態と同じと考えて、運転はしないようにしてください。

アモバンは依存を形成しにくいとはいえ、長い期間内服すれば、一般的な睡眠薬と同様依存性、常習性が出現します。漫然と続けることが無いよう注意しましょう。


 

5. マイスリーやルネスタと比べると、どう違う?

 

 アモバンと同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬には


 があります。これらと比べると、アモバンは睡眠導入の効果が強い睡眠薬です。


また、半減期で比較してみると


  • ゾピクロンの半減期:4時間

  • ルネスタの半減期:5時間

  • マイスリーの半減期:2.3時間


お薬の半減期が長いほど効き目の持続時間が長いと言えます。アモバンは中程度の持続力といえます。持続時間がそこまで長くないお薬ですので、眠気の持ち越しは少ない部類といえます。


 

6. アモバンを過量内服するとどうなる?


 詳しいデータは公表されていませんが、アモバンの過量内服によって錯乱、呼吸停止、昏睡、脱力などが考えられます。非常に危険な事態になることもありますので、眠れないからと勝手に増量せず、主治医に相談するようにしましょう。


 

監修:島野 桂周(精神科医、精神保健指定医)

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