ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)のよくある質問に精神科医が答えます。
1. どんな薬?
ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)はSSRIに分類される抗うつ薬です。脳内の神経伝達物質であるセロトニンの作用を強め、不安や落ち込みを改善します。うつ病、うつ状態、パニック障害、PTSDの方に処方されることがあります。アメリカでは1991年に承認され、全世界で使用されるようになりました。後発医薬品(ジェネリック医薬品)があります。
2. 剤形・用量・半減期は?
ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)には25mg錠、50mg錠、100mg錠があります。すべての用量でOD錠を選択できます。50mg錠、100mg錠には割線が入っていて半分に割ることができます。(OD錠も同様)
1日の初期用量は25mgからで、最大用量は1日100mgです。半減期は25時間程度です。
3. ジェイゾロフトを急にやめるとどうなる?
離脱症状が起きる可能性があります。具体的には耳鳴り、吐き気、頭痛、苛立ち、不安感などの症状が出ることがあります。ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)の内服を中止する際は、主治医と相談しながら少しずつ減らしていくことが大切です。
4. 副作用は飲み始めてすぐ起きる?
抗うつ薬全体に共通していますが、服用開始2週間までは特に副作用が出やすいと言われています。具体的には吐き気や下痢などの症状が出ることがあります。これらは胃腸に分布するセロトニン受容体への作用が原因で起きる副作用と考えられていて、一般的には長くても1週間程度で収まると言われています。セルトラリンは他のSSRIに比べ、下痢の発生頻度が高いと言われています。そのため副作用が出ても慌てず、次回の診察まで様子を見て、主治医に相談してみるようにしましょう。
5. ほかにどんな副作用がある?
・Activation Syndrome(賦活症候群)
24歳以下の方に起きやすいことが知られており、若い方が使用する場合は注意が必要です。もしジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)の内服を開始して落ち着かない、ソワソワする、イライラがひどいなどの変化が見られた場合はすぐに主治医へ相談してください。
・便秘
抗うつ薬には抗コリン作用(アセチルコリン受容体を阻害する作用)があり、長期的に使用する場合、便秘などの副作用が問題になりやすいことが知られています。
・性機能障害(ED)
アドレナリンα1受容体への阻害作用が一因となり、抗うつ薬の内服で性欲低下、射精遅延、勃起障害が起きることがあります。特にジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)はSSRIの中で最も性機能障害が高いお薬と言われています。相談しにくい副作用ですが、抗うつ薬の減量や種類の変更で解決できる可能性がありますので、勇気を出して主治医に相談してみてください。
・その他
悪心・嘔吐(20.3%)、眠気(15.2%)、動悸、肝機能障害、めまい、頭痛などが生じることがあります。
6. 効き目はいつ出る?
一般に抗うつ薬の効果発現は2-4週程度かかると言われています。飲んですぐ効くわけではなく、効果よりも先に副作用が出てきてしまうということですね。
7. まとめ
ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)は効果と副作用のバランスが良く、内科でも処方されることがあります。一般的なSSRIである一方、抗うつ薬に共通する副作用や離脱症状のリスクがあります。安全に内服できるよう、主治医と相談しながら使うようにしましょう。
監修:島野 桂周(精神科医・精神保健指定医)
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