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大人のADHD
​「人の話を聞き取れない(APD)」

当院では18歳以上の方を対象に発達障害の診断・治療を行っております。

​大人のADHDで見られやすい「人の話を聞き取れない(APD)」について解説します

APDとADHDの関係

APD(Auditory Processing Disorder:聴覚情報処理障害)は、耳そのものの聴力には問題がないにもかかわらず、音声情報を脳内で適切に整理・理解する過程に困難が生じる状態を指します。

 

その原因は一つではなく、複数の認知機能の特性が関与すると考えられていますが、特にADHDの特性と重なる部分が多くみられます。

 

ADHDでは、必要な情報に注意を向け続ける力が不安定であり、会話の途中で意識がそれたり、話の一部だけが抜け落ちたりすることがあります。

 

また、周囲の雑音を無視して特定の音声に集中する「選択的注意」が弱いため、複数の音が同時に入ってくる環境では、相手の声だけをうまく拾うことが難しくなります。

 

さらに、短時間情報を保持するワーキングメモリの弱さにより、聞いた内容をその場で整理しきれず、「聞こえているのに理解できない」と感じる場面が生じます。

 

加えて、情報処理のスピードにばらつきがあるため、早口の会話についていけなかったり、理解が一拍遅れたりすることもあります。

 

こうした注意・記憶・処理速度の特性に加え、不要な情報を適切に遮る脳内のフィルター機能の弱さが重なることで、音は認識できても意味としてまとまらない、いわゆるAPD様の聞き取りづらさとして表れると考えられています。

APDの方が苦手な場面

APD(Auditory Processing Disorder:聴覚情報処理障害)のある方は、音そのものは聞こえていても、複数の音が重なる環境や情報量が多い状況で特に困りやすくなります。

 

例えば、カフェや職場など周囲に雑音がある場所では、相手の声と環境音をうまく分けて捉えることが難しく、「何を言っているのか分からない」と感じやすくなります。

 

また、複数人での会話では話し手が次々と入れ替わるため、注意を向ける対象が定まりにくく、話の流れについていけなくなることがあります。

 

さらに、電話やオンライン会議のように音声情報に頼る場面では、表情や口の動きといった補助的な手がかりが少ないため、聞き取りの負担が大きくなります。

 

早口での説明や、複数の指示が一度に伝えられる状況も苦手で、内容をその場で整理しきれず、後から理解が追いつかないことがあります。

 

このようにAPDのある方は、静かで一対一のやり取りでは問題が目立たなくても、雑音や情報量が増えるほど聞き取りの難しさが強く現れる傾向があります。

APDの対策例

① 環境を整える(静かな場所で話す)

できるだけ雑音の少ない場所で会話するだけでも、聞き取りやすさは大きく変わります。
カフェや人の多い場所ではなく、静かな席を選んだり、テレビや音楽を消してから話すようにしましょう。
また、相手の正面に座ることで、口の動きや表情もヒントになり、理解しやすくなります。

 

聞き方を工夫する(遠慮せず確認する)

一度で聞き取れないのは珍しいことではありません。
「もう一度ゆっくりお願いします」「一つずつ教えてください」といったように、聞き方を工夫することが大切です。
分かったつもりで進めるよりも、その場で確認した方がミスを防げます。

 

③ 文字の助けを使う(見える形にする)

音だけで理解しようとせず、文字の助けを使うのも有効です。
メモを取りながら聞いたり、重要な内容はメールやチャットで送ってもらうようにすると、後から見返すことができます。特に仕事の指示などは「書いてもらう」習慣をつけると安心です。

受診を考えたほうが良いケース

日常生活の中で多少の聞き取りづらさは誰にでもありますが、次のような状態が続く場合には、APDの可能性も含めて一度相談を検討するとよいでしょう。

まず、聴力検査では異常がないと言われているにもかかわらず、「会話が聞き取れない」「何度も聞き返してしまう」といった困りごとが繰り返し起こる場合です。

 

また、カフェや職場など少し騒がしい環境になると急に会話が分からなくなる、複数人の会話についていけないといった状況が目立つ場合も注意が必要です。

 

さらに、仕事や日常生活に支障が出ているケース、例えば指示を聞き間違えてミスが増える、会話についていけず人間関係に不安を感じる、といった影響がある場合も受診を検討する目安になります。

 

加えて、子どもの頃から「聞き返しが多い」「授業が分かりにくい」といった傾向が続いている場合や、ADHDなど他の発達特性が指摘されている場合も、関連して聞き取りの困難が生じている可能性があります。

 

このような状態が続いている場合には、「気のせい」や「努力不足」と片付けず、早めに専門家へ相談することで、自分に合った対策や環境調整につながることが期待できます。

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