「よこはま北星こころとからだのクリニック」で心療内科・精神科を担当している、院長の島野です。今回はうつ病の早期発見に役立つチェックリストを紹介します。
「辛い状況で頑張っていたけれど、もう限界だ・・・精神科に行くべきかどうか、自分でもよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回のチェックリストで1個でも「はい」がついた方は、すぐに精神科や心療内科を受診してください。
check 1.
周囲に精神科受診を勧められましたか?
人間は誰しもストレスが強い状況では、正しい判断ができなくなります。つまり、自分が置かれている状況について正しく認識できていないのです。自分では「まだ大丈夫」と思っていても、客観的には限界、という状況は患者さんに多いパターンです。周囲から「休んだら?」「無理しないで」「心療内科に行って」と声かけをされた、という場合には一度、精神科や心療内科を受診して相談すべきでしょう。
check 2.
睡眠に問題がありますか?
睡眠は生きていくうえで欠かせないもの。人間の脳は睡眠中に老廃物を捨て、記憶の整理を行っています。眠れなくなってしまうと、日々の活動でたまったストレスが取りきれないままになってしまいます。
寝つきが悪い
途中で目が覚める
寝ても寝た気がしない
過眠してしまう
このような場合は精神科、心療内科で相談すべきでしょう。
check 3.
食欲が低下していますか?
睡眠と同様、食事も人間が生きていくうえで欠かせないものです。食欲や睡眠は、原始的な欲求と考えられていて、個体の生存にかかわる重要な欲求です。これが障害されている状態というのは軽視できません。食事だけでなく水分も摂れないような状況になると命にかかわることもありますから、早めの受診を心がけましょう。
check 4.
何度も考えてしまう悩みがありますか?
大きな悩みがあると、頭の切り替えができなくなります。寝ても覚めても同じ事ばかりぐるぐると考えてしまい、解決策が見いだせず暗い気持ちが続きます。こんな時は相談することが大切です。「相談しても解決しないよ」と思うかもしれませんが、「相談できた」「否定せずに聞いてもらえた」ということが大切なのです。これは悩みを聞いてもらい共有できたことで安心感がもたらされる事に意味があります。確かに、相談だけでは解決は望めないでしょう。しかし相談することで得られた安心感を足掛かりにして、前向きな気持ちで問題解決に取り組むことで事態が前に進むかもしれません。相談する第一歩として、心療内科、精神科を受診してみてください。
check 5.
原因不明の身体の異常がありますか?
精神的な悩みによる体の症状は非常に多彩です。動悸、冷や汗、手の震え、目の違和感、のどの違和感、めまい、耳鳴りなどなど。内科や外科を受診しても原因が分からなかった、という場合には精神的な疾患の可能性があります。心療内科や精神科を受診してみてください。
まとめ
いかかでしたか?今回のチェックリストでひとつでも「はい」の項目があれば、黄色信号です。うつ病や適応障害の可能性があります。すぐにお近くの心療内科、精神科を受診して相談してください。身体の病気も心の病気も、早期発見が何より大切です。当院では初診の方にCES-D(うつ病自己評価尺度)などの心理検査を実施し、うつ病や適応障害の早期発見に役立てています。
監修:島野 桂周(精神科医、精神保健指定医)
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